• 徳増浩司のブログ (Blog by Koji Tokumasu)

新しい伝統の始まり

7月9日、国立競技場で日本対フランス戦を見て来ました。

外苑前の駅を降りるとありとあらゆるところに日本代表のレプリカジャージを着たサポーターの姿が目に入りました。突然フラッシュバックしたのは、RWC2019の開幕戦の東京スタジアム。私はあの時、飛田給の駅から続く日本代表のサポーターの今まで見たことのない大群を目にして「日本でワールドカップを開催するということはこういうことなんだ」と思いました。大会招致が決まって10年後、やっとこの大会が開催されることを実感しました。

2年前から部活指導員を務める都立青山高校ラグビー部の練習を終えてから、私は国立競技場に向かいました。日本代表のレプリカジャージを着ていない自分がよそ者になりそうなサポーターのジャージ浸透度でした。席は3階のカテゴリー3の7千円の席にしました。ピッチからは遠かったですが、全体がよく見渡せました。

国立競技場はお正月の大学選手権準決勝以来、2回目でした。この競技場には複雑な思いがあります。RWC2015の開幕直前に、政府による国立競技場建築の見直しがあり、突然、RWC2019の会場としては使えなくなりました。それを理由に「日本開催を見直すべきだ」という意見が、南アフリカ勢を中心にワールドラグビーの理事の中を走り、嶋津昭事務総長をはじめとする組織委員会は大変な窮地に立たされました。しかし、その窮地を救ったのがあの日本代表の南ア撃破。・・・いろいろなことが頭をよぎりながら、もうそれもすっかり歴史になったんだなと思いながらキックオフの時間を待ちました。

私の席からははるか遠くにロイヤルボックスが見えました。以前はいつもあのへんで海外の要人を案内していました。しかし、今の自分の席から見ると、とても遠く、近づくことのできない席だと思えました。

コロナで座席制限されてきたことも撤廃され、5万7千人を越える大観衆が、RWC2019以来、久しぶりのテストマッチを堪能しました。ワールドカップの興奮がよみがえる80分間でした。

もし、RWC2019を日本で開催していなかったら、これだけの観衆が集まり、日本代表がこれだけの試合をすることはきっとなかっただろう。私はRWC2019を成功させたあらゆる人たちに感謝の気持ちを込め、その達成感と、日本が負けた悔しさとをミックスさせながら、国立競技場から原宿を通って、渋谷まで1時間近く歩き続けました。この新しい伝統が、これからもずっとずっと続いていくことを確信しながら。