• 徳増浩司のブログ (Blog by Koji Tokumasu)

<英語のリズムとコーチング>

<英語のリズムとコーチング>

前回、丸杉繁生さんが書いてくださったコメントにヒントを得ました。丸杉さんにお会いしたのは2年半前のウズベキスタンのタシケントで、当時、アジアンスクラム(JICA)で現地でラグビー指導を担当していた白馬悠氏の紹介でした。丸杉さんもシニアとしてJICAのボランティアをやっておられました。

丸杉さんのコメントは「四十数年前に推薦を頂き関東協会公認レフェリーとなったとき英語でルールを覚えて国際試合を吹けるようになろうという目標を立てました。(中略)英語圏発祥のスポーツを楽しむためにはコミュニケーションの道具として英語力が要りますね」と書かれています。

なるほど、と思いました。私自身も、ウェールズに滞在した経験から、ラグビーのコーチングでは「英語のリズム」が意外にも大切なことに気がつきました。

たとえば、モールを作って押し込むときに、「押せ!」というよりも、英語で「Drive!(ドラーーーイブ)」とやった方がズンズン前に出る継続的な押し(前進駆動)のイメージが沸きやすいのです。「押せ」というと、どうしても単発の1回きりの短い押しになってしまいがちです。

クイックパスの練習も同じで、なぜか「イチ、ニー、サン、シー」と数えるより、”One, two, three, four…”とやる方がリズム感が出るのです。これは、おそらくは英語の持つビート感ある動的な響きのせいではないかと思います。

一方、絶対に日本語でないと伝わりにくい用語もあります。たとえば「ボールを活かす」。これは、日本語の方がイメージしやすいと思います。英語の、make it available=「ボールを(次の人が)使えるようにする」というのもなかなかロジカルですが、やはり「活かす」がわかりやすいです。

今でも私はこのように、コーチングでは英語と日本語の用語を取り混ぜて使っていますが「英語のリズム」になにかラグビーの原点に通ずるものがあるのではという気がしていました。

丸杉さんのコメントにヒントを得たので書いてみました。