• 徳増浩司のブログ (Blog by Koji Tokumasu)

<英語でのコミュニケーション>④

私は、これまで、ワールドカップの招致活動やアジアラグビーの会議出席などで、英語にはさんざん苦労してきました。

会議での大きなチャレンジは、英語のネイティブスピーカーを相手に、英語で論破することです。日本人だからといって、英語が自由にあやつれないからといって、常に彼らのペースで物事を進められるのだけはどうしても阻止したい。そもそも、英語が母語である彼らと、同じ条件で交渉の場に立てないこと自体がアンフェア。しかし、それが国際舞台の現実です。

そこで私がアジアの会長を務めているときは、議長をしながら、早口でしゃべるネイティブスピーカー達に、あえて「そこをもう少しゆっくり話してくれませんか?」「それはこういう意味なんですか?」と、ペースダウンを要求することにしていました。私が会長に就任した時のマニフェストのひとつが「英語を母語としない国の人たちにも公平な会議運営」というものがあったからです。

日本人を含め、アジアの人たちは奥ゆかしいところがあり、人前で公然と反対意見を言う人が少ない。ところが英語圏の人たちは、文化の違いもあり、ズバズバと言ってのける。流暢な英語でズバズバ進められると、どうしても彼らの発言力が大きくなり、議論の流れが傾いてくる。私はこれを阻止したいとずっと思ってきました。

具体的になにができるか。しかも、自分でできる範囲で・・・と、いろいろ考えて見た結果たどりついたのが「日常的に活きた英語に触れる環境を作る」ことであり、それがやがては『英語でラグビー』教室の設立構想へとつながってきました。日本の子どもたちと、日本に住む海外の子どもたちが、同じグラウンドで英語で一緒にラグビーをすることにより、文化を超えた相互理解、コミュニケーションができるようになるのではないかと。

2017年9月20日、ラグビーワールドカップ2019の開幕戦のちょうど2年前の日、私は、友人たちとともに『一般社団法人・渋谷インターナショナルラグビークラブ』を設立しました。(つづく)