• 徳増浩司のブログ (Blog by Koji Tokumasu)

<アジアラグビー会長を終えて>

<アジアラグビー会長を終えて>

「これにて、2017年度のアジアラグビー年次総会を終わります。改めてみなさまに感謝の言葉を申し上げます。ありがとうございました」。2017年11月19日午後5時、香港のルネッサンス・ハーバービューホテル。

この言葉をもって、私の2年間のアジアラグビー会長職が終わりました。その日から今日まで2週間もかかってしまいました。何から書いていいのかと迷うほど、この2年間にいろいろなことを体験し、考えさせられました。

会長の任期は2年ですが、何人かの方から「なぜ続投しないのか?」というお言葉をいただきました。しかし、私はこのタイミングで後継者にバトンタッチしたいこと、そして何よりも、2019年には日本サイドにいてアジアのみなさんをお迎えしたいという気持ちから、早い段階から退任を決めました。(アジアラグビー会長は、立場上、大会に招待される側になるため)

これまで多くのアジア会議に出席させていただきましたが、一番印象に残っているのは、2005年12月のパキスタンでの会議でした。2011年のワールドカップ招致でニュージーランドに負けて打ちひしがれた報告を私がした時に、ブルネイの代表が立ち上がって「いや、もう一度やろうよ!アジアで初めてのワールドカップを日本でやれるために、アジアもみんなで協力しようよ」と言ってくれたのです。それを受けてすぐに規約改正委員会を設立し、アジアラグビーの古い規約を38年ぶりに改定したのが、2007年。そして2年後、2019年の招致時には、アジアから20か国を超える協会の会長が支援のレターを書いてくださり、招致ファイルに添付しました。そしてその招致のテーマは『アジアのための招致』(Tender for Asia)でした。いま、アジアは世界6地域の中で、普及活動が最も盛んな地域へと成長しました。

私は会長任期中、多くのみなさんに助けていただきましたが、特に心強かったのは、JICA/アジアンスクラムを通じて各地で普及活動に従事している海外青年協力隊のみなさんです。現在も、インド、スリランカ、キルギスタン、インドネシアで活躍していますが、彼らこそは「ワールドカップを開催する日本がアジアに貢献している」最も象徴的な存在です。彼らの活躍ぶりについては、またタイミングを見て紹介させていただきたいと思います。

次期会長は投票の末、インドのアガ・フセイン氏に決まりました。また、副会長には新たに日本協会から上野裕一氏が就任しました。新体制でのアジアラグビーの前進をこれからは、日本からサポートしていきたいと考えています。

これから私の活動の基盤はアジアから日本、さらに自分の住む地域活動へとシフトしていきたいと思いますが、せっかくいただいた貴重な体験を大切に、今後もアジアと日本を結ぶ「かけ橋」の役割は続けるつもりです。大変遅くなりましたが、会長在任中お世話になりましたみなさまへ、この場を借りて心から御礼申し上げます。ご支援、ありがとうございました。