みなさんは「ダブル・ゴール・コーチング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?実は私は最近までまったく知りませんでした。先日、二子玉川の本屋さんでこの本をたまたま見かけて、さっそく購入して読んでいます。著者は、スタンフォード大学のジム・トンプソン氏。
タイトルにもあるように「勝利」と「豊かな人生」という2つのゴールを手に入れるためのユーススポーツの指導法。序文がなかなかユニークです。
ある家で犬がワンワン吠えていて、飼い主が眠れなくて困っているという「小さな絵」があります。ところが、ズームアウトして「大きな絵」を見ると、そのうちの庭には実は泥棒が入ろうとしていたという話です。「小さな絵」にこだわっていると「大きな絵」が見えなくなる。
筆者はこう説明しています。
「ユーススポーツでいう『小さな絵』とは、試合の結果です。試合の勝敗、子どものプレーも良し悪し、試合後に笑うか泣くか・・これらはすべて『小さな絵』にすぎない。私たちが見るべき『大きな絵』とは、子どもたちがその後の人生で充実した生活を手に入れるためにどうしたらいいか、それをユーススポーツからどう得られるかということだ。『小さな絵』は非常に魅力的で、『大きな絵』を覆い隠してしまう力がある。だからこそ、私はダブル・コーチ・モデルを開発した。
全400ページ近くもある大作なので、全部読むにはまだ時間がかかりそうですが、少しずつ読み進めながら、私の考えたことを本欄でご紹介したいと思います。私がかねてから提唱している「エンジョイとは勝敗でなく、自分の持てる力を出し切ること。勝敗はスコアボードに並んだ点数にすぎない」と基本的な考えは同じですが、著者はそのための具体的な方法論を解いています。
これまで、ラグビーどっぷりだったため、アメリカのスポーツ論は何か違うのかなと思っていたのですが、久しぶりに刺激的な本に出会いました。また、この「ダブル・ゴール・コーチング」を日本で展開している「スポーツコーチング・イニシアチブ」のオンラインワークショップが7月5日(火)にあるそうなので、関心がある方は参加してみてはいかがでしょう? 詳細はこちらです⇒ https://sports-coaching-benkyokai.peatix.com/