<コミュニケーションとラグビー>
チームスポーツではどれも、コミュニケーションが大切ですが、ボールを後ろにパスしながら前進を図るラグビーでは、特に重要になります。言い方を変えれば、ラグビーこそは「コミュニケーションのスポーツ」ともいえると思います。
昨夜、都内で『渋谷インターナショナルラグビークラブ』の活動をレビューする会がありました。テーマのひとつが、このコミュニケーションの問題になりました。日本人と在日外国人の子弟が一緒にプレーする同クラブの「英語でラグビー」では、共通語が英語になります。
しかし、ある父親は自分の子どもに「まず伝えることが大切なのだから、日本語でも、身振り手振りでも何でもいいから、何とか相手に伝えろ」と言っているとのことでした。確かに、ボールをもらう時にとっさに出る言葉は「ハイッ」でもなんでも、味方に伝わればいい。逆に言えば、どぎまぎして黙っていたら、何も伝わらない。何語をしゃべるか、という問題より先に「コミュニケーションを取ろうと努力する気持ち」を育てることが一番大切ではないかという結論になりました。
私自身も近郊の中学ラグビー部を指導した時、コミュニケーションの大切さは知りつつも、彼らにそれをすぐ実現させることはなかなかむつかしいものがありました。練習中にまったく声が出ない子がいる。でも「声を出せ!」と言って、すぐに身につくものでもない。それより、なぜコミュニケーションが大切なのかをわからせることを考えたい。
そのためには、コミュニケーションしないと困る状況を練習中に人為的に作り、それの問題解決としてのコミュニケーションを体現させ成功させる、そういう体験を積み重ねていく方法を取りました。
ところで、これほど大切なコミュニケーションは、日本語で何と言ったらいいのでしょう。私はこれまで「声かけ」「気づき」みたいな感じでとらえていましたが、
あるサイトのアンケート調査によると「意志の疎通」「意志の伝達」「人とのつながり」「相互理解」「対話力」「思いやり」・・・など幅広い表現がみられたそうです。それをあえてまとめれば、コミュニケーションとは「お互いの気持ちや情報を伝え(理解し)あうこと」ということになるようです。これは、大変奥の深い、永遠のテーマとも言えますね。
(写真は『渋谷インターナショナルラグビークラブ』の練習風景より)
https://www.facebook.com/shibuyarugby/