<ラグビーと英語>③
「やっぱり、国際大会を勝ち抜くには、英語の力が大切だと思います」。
9月上旬に台南市で行われた「アジアU17セブンズ大会」。開口一番、こう語ったのは、U17セブンズ日本代表の団長・坂本幸治氏(写真・日本協会セブンズユースアカデミー統括)でした。 同大会で、U17日本代表は見事優勝を決め、来年夏、ブエノスアイレスで開催される第3回ユースオリンピックへの出場権を獲得したのですが・・・。
坂本団長が言うのは、特にアジアで行われる大会では、ホスト協会の力不足等で、当初決められたことが守られていないことが多々あるという。
「伝達事項がいつもペーパーになっているとは限らないんです。それに、確認事項や取り決めに関して、英語での交渉能力がないと権利を行使すらできません。交渉は当然英語でなされます」。
「昨年のU20アジアセブンズ・マレーシアラウンドでは、2日目にゲームの終了がレフリー個人の権限から、タイムキーパーに変わっていました。場内放送で伝達されたようです。準決勝で煮え湯を飲まされました」。
「 世界で戦うならば、グラウンドに立つ前に少しでも良い条件を整えるのは常識だと思います。代表者会議の席に着き、聞き取りも発言もできない代表者など役立たずだと思います」。
英語での交渉能力がないと、フェアで大会に臨めない・・・坂本団長の言葉は、団長として選手たちのことを思うだけに、とても真に迫るものでした。
前回は、国際会議での英語力のことをお話ししましたが、”現場での英語力“は、そのままチームの勝敗にもつながってきます。こういう私も、ラグビーワールドカップの招致活動では、いまひとつの英語力不足で大変苦労したものです。
ラグビー界にどうやってこういう人材を育てていったらいいのか。特にワールドカップ2019が終わった後のことまで考えると、今とても大切な課題であると痛感しています(つづく)