• 徳増浩司のブログ (Blog by Koji Tokumasu)

優れたコーチングとは自分のアイデアをグラウンドの現実に反映できること

 新型コロナウイルス感染防止で活動ができなくなった時間を活用して何をすべきか・・・昨日から考え始めました。
 最前線の医療従事者のみなさんや、日々の生活を維持することができなくなっているみなさんにとっては、ラグビーどころではないと思います。しかし、あえてラグビーの指導という観点からすると、私はこの時期に大切なこととして①しっかりしたビジョンを持つこと②それに則ったカリキュラムをもう一度きちんと作り上げること、を挙げたいと思います。普段はとかくグラウンドの上で小手先のことに走りがちですが、もう一度根本から自分のコーチング哲学、ビジョン、最終的に成し遂げたいことを明確にイメージしなおす。そして、それを実際にグラウンド上でどう表現するかを練りなおし、活動が再開した日に備えたいと思います。
 写真は、2月にたまたま二子玉川の紀伊国屋書店の洋書コーナーで手に取ったエディー・ジョーンズ氏の最新本です。タイトルを訳すと『エディー・ジョーンズ自伝・マイライフ&ラグビー』。420ページもある大作ですが、最後の8ページあたりに、昨年のラグビーワールドカップ決勝を振り返るシーンがあります。私はその部分が知りたくて、先にそこだけを読んでしまいました。
 あまり書くとネタバレになるのでやめておきますが、印象的だったのはこのコメント。「私は最後にミスをしてしまった。でも正直な気持ちとしてはほんの一週間前に同じスタジアムでできたパフォーマンスがなぜできなかったのかがわからない。私は答えのすべてを持ち合わせてはいない」という部分でした。このミスとは2つのセレクションミスも含めているとも触れています。さらには「そのミスは実際にゲームが始まってみないとわからない」。そして言います。「優れたコーチングとは自分のアイデアをグラウンドの現実に反映できること」。
 私ももう一度コーチングを勉強しなおして、次のチャンスに備えたいと思いました。ところで、いま私たちは密集して集まることはできませんが、以前は「読書会」というものがありました。たとえば「エディー・ジョーンズの本を原書で読む会」みたいなものがあれば楽しいのではと思いました。コーチング用語には原書でしか伝わりにくいニュアンスもあり、思ったしだいです。