<子どもたちに“おもしろい”ラグビーを⑥>
もし明日試合があるとして、あなたが指導者なら「アタック」と「ディフェンス」の練習にどのくらいの割合をかけるでしょうか。
「子どもたちにラグビーを楽しませたい」という気持ちと「試合に勝たせたい」「せめて大敗は避けたい」という両方の気持ちがあることでしょう。大敗してしまうと、子どもたちがラグビーそのものを好きでなくなってしまったり、だんだん自信を無くしてしまうことにもなりかねません。
昨秋、東京都の全国大会予選で、シードの東京高校と都立青山高校の試合を見る機会がありました。実力差のある試合でした。しかし、青山高校は、数えきれないほどのマイボールのキックオフを、これ以上ない正確なキックとチェイスで、ほとんど制しました。キックオフは完璧な勝利でした。
試合後、諫見監督に話を聞くと「1週間これだけやってきましたから」とさわやかな表情で話してくれました。諫見先生は、東京都高体連ラグビー専門部事務局長でもあり、情熱の人。試合には負けながらも、チームには、ぴりっとした一体感がありました。
大きな点差となりましたが、試合後、監督やプレーヤーたちの間には「やり切った」という爽快感・充実感がただよっていました。力を出し切る=エンジョイ、と考えると、こういうマインドセットは確かに大切だと思いました。
チームカラーには、指導者の”ラグビー観”や“ラグビーに対する世界観“のようなものが大きな影響を与えます。それだけに、子どもたちを預かる指導者たちの悩みと挑戦は尽きることがありません。何が正解か、答えは決してひとつではないと思いました。